共通テスト物理2021年度/第3問B (原子のエネルギーと運動量)解説




共通テスト物理2021年度/第3問A(全反射と屈折の法則)解説の続き

2021年度共通テスト 物理 第3問B

問4 電子の運動エネルギー

 図6は蛍光灯の原理を考えるための簡単な模式図である。ガラス管内のフィラメントを加熱して熱電子(電子を放出させ)、電圧Vで加速させる。

問4 電子が電圧Vによって加速され、館内で水銀原子と一度も衝突せずにプレートに到達したとき、電子が得る運動エネルギーを表す式として正しいものを、次の①〜⑥のうちから一つ選べ。ただし電気素量をとする。

一度も衝突せずにプレートに到達したとあるので、運動エネルギーはフィラメントから放出されたときのままなので、eV

よって問4の答は②

問5、問6 運動量保存の法則、運動エネルギー

加速された電子が水銀原子に衝突した場合には、図7のような二つの過程(a)(b)が考えられる。図に示したように、水銀原子が動いた向きをy軸の負の向きとし、衝突はxy平面内で起こったものとする。

過程(a) 運動エネルギーE0の電子と状態Aで静止している水銀原子が衝突し、電子の運動エネルギーはEとなる。水銀原子は状態Aのまま、運動エネルギーE水銀をもって運動する。

過程(b) 運動エネルギーE0の電子と状態Aで静止している水銀原子が衝突し、電子の運動エネルギーはE ‘となる。水銀原子は状態Aよりエネルギーが高い状態Bに変化して、運動エネルギーE 水銀をもって運動する。

状態Bの水銀原子は、やがてエネルギーの低い状態Aに戻り、そのとき紫外線を放出する。その後、この紫外線が蛍光灯館内の蛍光物質にあたって、可視光線が生じる。

問5 それぞれの過程における衝突の前後で、電子と水銀原子の運動量の和はどうなるか。最も適当なものを、次の①〜⑥のうちから一つ選べ。

問6 それぞれの過程における衝突後、電子と水銀原子の運動エネルギーの和はどうなるか。最も適当なものを、次の①〜⑨のうちから一つ選べ。

 

過程(a)、(b)どちらの場合とも、衝突時に外力が働いていないので、運動量保存の法則は成り立つ。

よって問5の答は①

また過程(a)では衝突前の運動エネルギーが、衝突により電子と水銀の運動エネルギーに変わるだけなので、運動エネルギーの和は保存されるが、過程(b)では水銀原子にもエネルギーが蓄えられるので、その分運動エネルギーは減る。

よって問6の答は⑥

 

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