共通テスト物理2021年度/第2問B 電磁誘導(磁場中を動く導体棒)解説




共通テスト物理2021年度/第2問(キルヒホッフの法則、ブリッジ回路)解説①からの続き

2021年度共通テスト 物理 第2問 問4〜

問4 電磁誘導

 図2のように、鉛直上向きで磁束密度の大きさBの一様な磁場(磁界)中に、十分長い2本の金属レールが水平面内に間隔dで平行に固定されている。その上に導体棒a、bをのせ、静止させた。導体棒a、bの質量は等しく、単位長さあたりの抵抗値はである。導体棒はレールと垂直を保ったまま、レール上を摩擦なく動くものとする。また、自己誘導の影響とレールの電気抵抗は無視できる。
時刻=0に導体棒aにのみ、右向きの初速度を与えた。

問4 導体棒aが動き出した直後に、導体棒aに流れる誘導電流は図の(ア)の矢印の向きであり、その大きさは(イ)である。

 

問題のように導体棒が磁場中を動いた時、レンツの法則によりPの向きに電流が流れる。

誘導起電力はV=Bd となり、導体棒1本の抵抗はrdなので、流れる誘導電流の大きさは

したかって(15)の答は②

問5 電磁力、フレミングの左手の法則

 導体棒aが動き始めると、導体棒bも動き始めた。このとき、導体棒aとbが磁場から受ける力に関する文として最も適当なものを、次の①〜④のうちから一つ選べ。

①力の大きさは等しく、向きは同じである。
②力の大きさは異なり、向きは同じである。
③力の大きさは等しく、向きは反対である。
④力の大きさは異なり、向きは反対である。

 

導体棒a、bでの電流の流れる向きは逆なので、力の向きも逆になる。(フレミングの左手の法則)

力の大きさは流れる電流の大きさをIとすると、どちらもIBdとなり、等しい。

したがって(16)の答は③

問6

導体棒aが動き始めたのちの、導体棒a、bの速度と時間の関係を表すグラフとして最も適当なものを、次の①〜④のうちから一つ選べ。ただし、速度の向きは図2の右向きを正とする。

 

実験開始後からしばらくは、導体棒a下図のように導体棒aには左向き、導体棒bには右向きの力が働くので、導体棒aは減速して、導体棒bは加速していく。

このことから①②は適さない。

また問5より力の向きが反対の同じ大きさの力が加わるということは、導体棒a、bに掛かる力積の和は0なので、運動量保存の法則が成り立つ。したがって導体棒a、bの質量をとすると

よって(17)の答は③

共通テスト物理2021年度/第3問 解説①(全反射と屈折の法則)に続く

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