共通テスト物理2021年度/第1問(小問集合)解説その2




共通テスト物理2021年度/第1問(小問集合)解説その1 からの続き

2021年度共通テスト 物理 第1問 問4〜

問4 ドップラー効果

図4のように、Aさんが静かな室内で壁を背にして、壁とBさんの間を振動数の十分大きな音を発するおんさを鳴らしながら、静止しているBさんに向かって一定の速さで歩いてくる。このとき、Bさんは1秒間に回のうなりを聞いた。これはBさんが、直接Bさんに向かってくる振動数がより( ア )音波と、壁で反射してBさんに向かってくる振動数がより( イ )音波の重ね合わせを聞いた結果である。Aさんがさらに速く歩いたとき、Bさんが聞く1秒あたりのうなりの回数は( ウ )。ただし、Aさんの移動方向は壁と垂直であり、Aさんの背後の壁以外の壁、天井、床で反射した音は、無視できるものとする。

音速をV、AさんがBさんに向かう速さを、Bさんが直接聞く音波の振動数をとすると

となり、より大きくなるので、(ア)の答は大きい。

また、壁に反射してからBさんに向かってくる音波の振動数は、壁の位置で観測する音波と同じで、それをとすると

となり、より小さくなるので、(イ)の答は小さい。

うなりの回数はの差であるが、Aさんの歩く速さが速くなるほどは大きくなり、は小さくなるので、(ウ)のうなりの回数は多くなる。

したがって問4の答は①

問5 等温変化、断熱変化、熱力学第一法則

 なめらかに動くピストンのついた円筒容器内に理想気体が閉じ込められている。図5(a)のように、この容器は鉛直に立てられており、ピストンは重力と容器内外の圧力差から生じる力がつり合って静止していた。つぎに、ピストンを外から支えながら円筒容器の上下を逆さにして、図5(b)のように外からの支えがなくても静止するところまでピストンをゆっくりと移動させた。容器内の気体の状態変化が等温変化であった場合、静止したピストンの容器の底からの距離はL等温であった。また、容器内の気体の状態変化が断熱変化であった場合にはL断熱であった。
図6は容器内の理想気体の圧力と体積Vの関係(p−Vグラフ)を示している。ここで、実線は(エ)、破線は(オ)を表しており、これを用いるとL等温L断熱の大小関係は(カ)である。

 

(a)→(b)で気体は膨張している。
熱力学第一法則 Q=⊿UW(Q:熱量、⊿U:内部エネルギー、W:気体が外部にする仕事)より、断熱変化で膨張する時は
U=ーW<0なので、内部エネルギーは減少する。

このとき

より、温度も下がり、状態方程式

から、体積が同じなら温度が低い方が圧力も低くなるので、断熱変化は破線の(オ)、等温変化は実線の(エ)となる。

また変化後の図(b)において等温変化、断熱変化後の圧力は同じであり、圧力が同じなら等温変化の方が体積が大きくなる。

したがってL等温L断熱となり、問5の答は②

******************************
全国対応!高校数学・物理化学専門の
オンライン家庭教師・個別指導学習塾、
栃木県宇都宮市近辺の家庭教師を
お探しならこちらをクリック
↓ ↓ ↓