二次方程式解き方と解の公式、判別式と二次関数の共有点の個数の関係




中学生の時に学習したように、
二次方程式とは、
ax2+bx+c=0 の形をした式のことでした。
(a,b,cはそれぞれ実数でa≠0)

二次方程式は基本的に
次のいずれかの方法をとることによって
解くことが出来ます。

平方完成 因数分解 ③解の公式を利用

なぜこれらを使うことで求められるのか
どのように使うのかなどを
それぞれの場合で見ていきましょう。

また記事後半では
二次方程式の判別式と
二次関数の共有点の個数について
学んでいきましょう。

1.二次方程式の解き方

平方完成で二次方程式を解く

これは次の事実を使うことで
二次方程式を解こうというものです。

因数分解や解の公式のほうが
使う機会が多いからなのか、
これを忘れている高校生は非常に多いです。

しかし、これを知らないと、
とても計算が大変になることが
よくあるので、ぜひ覚えておいてほしいです。

因数分解で二次方程式を解く

これは中学生で習うこともあり、
一番メジャーな解き方だと思います。

そのためここでは
具体的な解き方というより、
なぜ因数分解をすれば
二次方程式が解けるのか?
ということをお話ししたいと思います。

それは、因数分解をすることによって

が使えるようになるからです。

掛けて0と言うことは、
少なくとも1つは0であるということを
用いているわけです。

だから因数分解をして
二次方程式を解くときは

というように各因数が0になるように
を定めるわけですね。

二次方程式の解の公式を使って解く

二次方程式の解の公式は次のようなものでした。


①は中学で学びましたが
②は高校で新たに学ぶ解の公式です。

②は使わなくても計算を頑張れば
①だけで解けます。

しかし、受験レベルなど難易度が高くなると
②が使えるときは使った方がいいです。

ちなみに解の公式は
平方完成して①の方法で解いていくと
導けます。

例題

それでは何問か実際に解いてみましょう。

解答

2.判別式

ここからは先ほども登場した
二次方程式の解の公式について
少し詳しく見ていきましょう。

次方程式の解の公式には
非常に重要な性質が隠れています。

それは
根号の中身の符号によって
次方程式の解の個数が分かる
ということです。

符号と言いましたが、
正確には根号の中身が
正か0か負かに分けられます。

そしてこの根号の中身、
つまりー4ac
とてもよく使うため、
毎回同じ式を書かなくて済むように
Dという記号でよく表します。

そしてこのー4ac を、
その二次方程式の判別式と言います。

Dの値によって二次方程式の解の個数は
次のように分けられます。

D>0のとき:異なる2つの実数解を持つ。
D=0のとき:1つの実数解(重解)持つ。
D<0のとき:実数解は持たない。(異なる2つの虚数解を持つ)

このうち、実数解を持つ
D>0とD=0をあわせて 
D≧0↔実数解を持つ
とすることもよくあります。

というのは根号の中身が負になるので
実数の世界では許さないからです。

それでは先ほどの問題を使って
今度は解の個数だけを
判別してみましょう。

3.判別式による二次関数とx軸との位置関係

・判別式と共有点の個数

二次関数のグラフとx軸との位置関係は
それらの共有点の個数によって
次の3つに分類することが出来ます。

異なる2つの共有点を持つ
ただ1つの共有点を持つ

1つも共有点を持たない

図を書くと次のようになります。
グラフの色と①~③の文字の色が対応しています。

さて、この分類は
幾何的(図形的、見た目で分かる特徴)な
分類になっています。

このような幾何的なイメージも
非常に大事ですが、
それと同じくらい数式で
この特徴を捉えることも大切です。

共有点と言うのは
数式的には連立方程式の実数解です。

よって、

の共有点のx座標というのは、連立方程式

すなわち二次方程式

の解ということになります。

ということは、
二次関数のグラフとx軸との
共有点の個数を知りたければ、
この二次方程式の実数解の個数を
調べればよいということになります。

二次方程式の実数解の個数は
いちいち解を求めなくても
「判別式」を使えば求まりました。

ということで以上の話をまとめると
次のようになります。

ちなみに共有点と言うのは
交点や接点のことです。

・例題

では2問例題を解いてみましょう。
まずは簡単な問題です。

(例題1)
+a+4がx軸と接するようなaの値を求めよ。


解答:
接すると言われたので
二次方程式+ax+4 が
ただ1つの実数解を持つ、

すなわち判別式D=0なら良い
ということになります。

よって

これを解くとa=±4 となり
これが答えです。

ちなみにa=4の時のグラフは
先ほどの図の緑のグラフです。

 

次はこれまでの二次関数に関する知識を
いろいろ使って解く問題です。

(例題2)
bxのグラフが
図のようになるとき、(1)~(6)の符号を答えよ。


解答:

ちなみにこの問題で出したグラフは
=3+4xー1
のグラフです。

実際にa,b,c3, 4, -1を代入して
(1)~(6)の符号を確かめて
あっていることが確認できます。

また、解答の途中で出てきた

については非常によく出てくるので
覚えておくと便利です。

二次関数の平方完成を行えば
簡単に証明することが出来ます。
平方完成について簡単に触れておきます。

まとめ

二次方程式は中学でも学びましたが
高校で初めて学ぶ
の係数が偶数の時の
解の公式は計算が楽になるので
ぜひ使うようにしましょう。

さらに後半で説明した判別式や
判別式と共有点の個数の関係は
高校数学で使う機会は非常に多いので
この機会にマスターしてくださいね。

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